1UラックマウントNASを自作する(1)

はじめに

この記事はGUTアドベントカレンダー2020に参加しています。他の参加記事もぜひご覧になってください。

一応自己紹介もしておきます。よこといって、大学生です。DTMを中心とした電子創作やプラモデル作り、CHUNITHMという音楽ゲームなどを趣味とします。近況だと最近観始めた「とある科学の超電磁砲」というアニメのOPを歌っているfripSideに興味を持ちました。おすすめの曲があったら教えてください。こちらからは機動戦艦ナデシコというアニメをおすすめしておきます(レールガンもfripSideも関係ないです)。

 

目次

 

きっかけ(NASとは?)

僕は普段メインPCのバックアップ(イメージファイル)をPC内に増設した2TBの内蔵HDDに保存しています。しかしこの「PC筐体内のストレージにバックアップも保存する」というやり方はバックアップとして万全ではなく、本来ならPC外のストレージに保存するのがより適切です。そこでUSB接続の外付けHDDを購入するか、今使っているHDDを外付け化することを考えたのですが、手持ちできるようなHDDは絶対に落として壊すという先入観があるため、いっそNASを用意してそこに保存しようという話に(自分の中で)なりました。ここでNASについて簡単に説明すると、Network Attached Storageの略称である通り、ネットワークに接続されたストレージのことで、同じネットワーク内の複数マシン間のデータのやり取りなどが劇的に便利になります。詳しくはこちらの説明などを参照されると良いでしょう。製品版のNASが様々なメーカーから出回っていますが、後学のため自作しようと思い立ちました。PC関係の自作は初めてです。とりあえず適当に「NAS 自作」とかで検索してみたところ、多くの記事がヒットしました(これらの記事の紹介は割愛します)。そこから得た情報をまとめると、

  • ハードは基本的に低スペックPC+HDDでよさそう
  • OSはFreeNASなどが使え、例えばFreeNASならUSBメモリからでも起動できる

という印象でした。というわけで価格.comPC自作などを参考にパーツを物色して少しずつ揃え始めました。なにせ初めてなので一気に全て注文することは避け、少しずつ買い揃えては規格が合うことを確認しているところです。

 

ラックマウントって何?

 「NASは分かったけど1Uラックマウントって何」という方も多いと思います。ラックマウントとは、規格で定められた幅(19インチ、すなわち約48cmなど)を持つサーバーやオーディオ機器を専用の棚にまとめて固定できる仕組みのことです。1Uはそれらの機器の高さの最小単位であり、例えばEIAという規格だと1.75インチ(約4.5cm)と決まっています。大型の機器はこの高さに収まらないので2U, 3U......と厚みを増していきます。これら高さ整数Uの機器群を例えば8U分の固定フレームを持ったラックにマウントしていくわけです。今回自作するNASが従うEIA規格の詳細については、こちらに記載されています。

僕はDTMをやる関係で既にEIAラックマウントのオーディオ機器及び6Uラックを所有しているので、今回のNASも1Uラックマウント型で作りそこにマウントして運用することにしました。あえて1Uにこだわるのは高さと幅が1:10以上ある扁平感がたまらなくかっこいいからです。

 

パーツ構成

 始めに決まっている内容について列挙します。まだパーツ集めの段階であり、組み立てはほとんどやっていません。パーツ選定のうえで最も注意すべきは、「高さが1Uに収まること」です。外板の厚みを考慮して内高を41mm以内に収めたいです。マザーボードのリアパネル端子群、CPUファン、メモリ、電源ユニットの高さに注意を払う必要があります。肝心のHDDについては、3.5インチHDDでも収まるのでとりあえず安心です。2台重ねるとオーバーします。

  • CPU(+グラフィック):intel Celeron G4930(購入済み)
  • M/B:MSI H310M PRO-VDH PLUS(購入済み)
  • RAM:8GB(購入済み)
  • 起動ディスク:8GB以上の小型USBメモリ
  • HDD:3.5インチHDD(WD Red)最大3台程度
  • 電源:未定(300W程度)
  • その他:3mLANケーブル(購入済み)

 

CPUとマザーボード

 ソケットの規格が合うことを確認済みだったので最初にまとめて注文しました。このマザーボードにはSATAポートが4つあるので、HDDを最大4台接続できるはずです。CPUにはかなりデカいCPUクーラーが付属していました。取り付けると確実に41mmをオーバーするので最初からあきらめています。負荷をかけるような運用はしないので、お豆腐みたいなヒートシンクで許してくれんかな....というお気持ちです。

 

メモリ

マザーボードにメモリをセットすると高さが41mmを超えるのではないか? 商品画像を見て低そうなものを選び、お祈りしながら注文し、そして届きました。お祈りのリザルトをツイートしています。

 ありがとう。信じてたよ......

ちなみにマザーボードのリアパネル端子群の高さが馬鹿にならず、最も高いところだと使いもしないオーディオ端子が3階建てになっていて、こちらもかなりギリギリでした。マザーボードのオマケでリアパネルが付属しているのを後日発見しましたが、これは当然アウトです。SATAケーブルがついていたのは嬉しかったです。

  

起動ディスク

OSとして使う予定であるFreeNASはUSBメモリからでも起動できるらしく、予算節約のためありがたくそうさせてもらいます。ただし胴体の長いものを後ろに差しておくと何かの拍子に抜けたり折れたりしそうで怖いので、ほとんどUSB端子だけやん!笑みたいな小型のものを使うことにします。OSインストールは先の話なので、選定や購入はまだやっていません。

 

HDD

NASにおいて一番肝心なHDDです。僕が個人的に信頼しているWestern Digital社からNAS向けに最適化されたRedシリーズが各容量ラインナップされているので、特に他社・他シリーズの検討をすることもなくこれに決めました。現状ではとりあえず4TBを1台用意し適当にパーティションして運用する予定です。筐体内に2,3台分の空きスペースを用意しておき、必要に応じて増設できるようにしておきます。HDDを筐体に固定する方法は未定です。

 

電源

現状で目途が立っていない唯一の構成です。最小寸法が41mm以内の電源ユニットは数が少ないようです。低スペック機なので電源容量は低くていいのですが、せっかくCPUをファンレスにするので電源もファンレスにして完全ファンレス化を....と目論んでいます。しかしそれはACアダプタタイプの電源にしないと困難なようです。とりあえず高さが40.5mmのファン付き電源ユニットは出回っているので、それを積んで様子を見ようかな..となっています。オーディオ環境にこだわりがある身なので、部屋に音の出る機械をなるべくなら置きたくないのです。

 

ケース

本機の最大の特徴である1Uラックマウントケースですが、内高41mmのアルミ筐体を実現するためには自作..は無理なので外注かな、となっています。しかし予算がないです。CPUをファンレスにするのもあって熱環境がどれほどになるかも未知数です。そのためケースの設計と発注はケース以外の部品を全て揃えて試験運用をしてから行います。試験運用は最近買ったこの1Uトレイの上で行う予定です。こちら、ラックマウント可能な棚板となっております。

 

次回予告

電源ユニットとUSBメモリが入手できればとりあえずOSをインストールして起動することはできます。実際にHDDを接続して試験運用を行い、CPUの温度がどれくらいになるか、ファンやHDDの作動音は許容範囲かなどを検討することになると思います。