飛行ロボコン2021参加記

去る2021年12月17日から19日までの3日間、「全日本学生室内飛行ロボットコンテスト」に参加した。飛行ロボコンへの参加は去年に引き続き2回目だが、主に固定翼機向けの一般部門での参加は初めてだった。思えば5月のチーム結成以来、やたら長い道のりだった。1年の締めくくりとして、チーム結成から大会本番までの歩みを振り返りたい。

 

 

本番までの道のり

チームの結成は今年のゴールデンウィークまで遡る。工学部の3年生が2人、2年生が2人で、固定翼機の製作は全員未経験だった。3年生である自分がリーダーを務めることになった。最初の機体のコンセプトとして、先生に助言を頂きながら以下のようなものを目指すことになった。

  • 練習機として使い込むため、多少重くても(すなわち飛行ロボコンの重量制限である200gを超えても)頑丈な機体にする
  • 設計と製作がしやすくオーソドックスな機体にする

この方針のもと、主翼には作りやすい矩形翼を採用した。翼面積、上反角、主翼取り付け角などの各種パラメータは、最初に先生から頂いた資料で標準的とされる値をそのまま使った。翼型にはド定番と言われるNACA4412を採用した。CADを用いた詳細設計はチームの2年生が行った。主翼には桁を多めに入れて強度向上を狙った。舵は操作しやすいよう大きめに設計した。

機体製作は、要素技術を先生から都度教わりながら全員で行った。設計も含めた製作期間は2ヶ月で、7月中旬に初飛行した。設計から自分たちで行った機体が実際に飛ぶと感動することは想像しやすいと思うが、やはりそうだった。

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完成した1号機

ところが、試験飛行中に体育館ネットの高い部分に機体が引っかかってしまい、回収不能になってしまった。業者の方を呼んでネットから機体を「取り除いて」もらうことになった。これで1号機は修理不可能なまでにバラバラな残骸になり、初飛行日に運用が終了した。

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体育館ネットに引っかかった1号機の一部

1号機の失敗を元に、すぐに新たな機体を作る話になった。業者の方や体育館関係者の方々に迷惑をかけてしまった反省から、特にネットに引っかかっていたプロペラと脚について、特徴的な変更を行うことになった。

  • プロペラ(モーター)を機首ではなく主翼の上に配置する
  • 脚を胴体と一体化したカーブ状にする
  • 主翼を取り外し可能にする

また、主翼の強度を出すためにテーパー翼を採用した。CAD設計はもう1人の2年生が行った。製作してみると主翼の取り外し機構の強度が圧倒的に足りないことがわかり、諦めて接着した。

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初飛行を待つ2号機

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モーターとプロペラが主翼の上に取り付けられている

9月の頭に初飛行した。翼面積がとても大きいため、滑走を初めてすぐに浮き上がり、フワフワとした飛び方をしていた。また、着陸の際に機首から床に突っ込むということがなく、フワリと安全に着陸することができていた。しかし、飛行試験中に墜落した際、慣性の大きいモーター部分が前に出ようとして、モーターマウンタを支える部分が大破してしまった。

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モーター部分が大破した

修理をして別の日に飛ばした。修理の影響で上反角が小さくなってしまったせいで、一度機体が左右に傾くとそのまま旋回しながら降りていってしまう状態から抜け出せなくなる、スパイラルという現象が起こるようになった。先生が垂直尾翼を半分ほど切り取ることで垂直尾翼の効きがよくなり、飛ばしやすくなった。逆のように思われるかもしれないが、元々尾翼の舵面積が大きすぎたせいで、大きく舵を切ろうとすると舵面に大きな力がかかり、サーボモーターがリンクを引っ張りきれなくなっていたようである。

また、この2号機の修理と並行して3号機の開発を行っていた。自動操縦を試してみることになり、そのための機体として製作することになった。

  • 自動操縦のための電子回路を搭載する
  • 主翼を取り外し可能にする

設計者は1号機と同じ2年生。先生からの助言で上反角を大きくつけることになり、20〜25度の上反角をつけて設計した。主翼の取り外しは、リブに開けた穴に胴体から横に生えたカーボンパイプを刺すことで実現した。マイコンとジャイロセンサを搭載した自動制御用回路は、別のチームで先にやっていた方から回路構成と制御プログラムを提供してもらい、自分が回路の実装を行って機体に搭載した。

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自動制御用の回路基板

自動操縦は機体のピッチ(前後の傾き)に対して補正を入れるという内容で、プロポのスティックで目標値を与え、ジャイロセンサで機体のピッチを取得し、比例制御で昇降舵を動かして姿勢を追従させるというものである。マイコンにはArduino Nano、センサにはMPU6050を使用している。センサ値の処理にはMPU6050の機能であるDMP (Digital Motion Processor)を用いた。

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機首に回路を搭載した3号機

2号機の修理と並行して3号機の製作が進み、9月の中旬に初飛行した。

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飛行を待つ3号機

操縦者によると手動のみの操縦と自動補正付きの操縦の違いを実感できたようだ。自動制御による操縦補正はチームに必要不可欠なものになった。この段階で超音波センサや気圧センサも機体に取り付ける検討を行ったが、実際に取り付けて飛ばしてはいない。夏休みも終わりに近づき、そろそろ飛行ロボコン本番に向けた機体製作を行っていくことになった。一般部門と自動操縦部門のどちらに出るかで迷ったが、回路と制御を担当できるメンバーが自分だけだったことと、チームに飛行機そのものを作って飛ばすのを思いっきり楽しむ雰囲気があったこともあり、一般部門で出場した方が皆で楽しめると考え、そうした。

秋学期のなか、4号機の開発が始まった。基本的に3号機と同じコンセプトだが、軽量化のために胴体を短くしたり主翼取り外し部分のカーボンパイプを短くしたりしている。また、自動制御用の基板について、自分でプリント基板を設計して発注してみた。テスト用ということで、サーボモーターやセンサを多めに接続できるようになっている。

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発注したプリント基板

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部品を実装した

4号機に新しい基板を積み、初飛行を行った。しかし、主翼の取り外し機構の重量削減を攻めすぎたせいで根元の強度が不足していて、先生の操縦で少し浮いたところでバンザイ墜落してしまった。取り外し式を生かして主翼だけ再設計することになった。カーボンパイプを受ける穴の周囲を大きくとって強度を出し、ついでにたまたま作業部屋にあった黒い和紙を貼って4号機改とした。また、新しく設計して発注、実装まで済ませていた一般部門本番仕様の軽量化プリント基板を搭載した。

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Arduino Nano系と同サイズ

使用マイコンArduino NanoからArduino Nano Everyに変更している。これによって書き込み時と飛行時のシリアル通信のスイッチ切り替えが不要になり、クロック周波数も16MHzから20MHzに若干向上している。基板色も青で統一され、見ていて美しい。ちなみにこの回路のCADデータと制御プログラムは近日中に公開する予定である。

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部品を実装した

外形がすっきりまとまるように、受信器の取り付け位置も含めて設計している。

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フル実装 (MPU6050の向きは間違っている)

4号機改は自動操縦のおかげもあって非常に良く飛び、大会運営に提出する機体審査用紙と1分間の飛行動画をこの機体で用意できた。重心がやや後ろ気味で縦安定が弱いという問題はあった。

 

本番機

大会まで残り1ヶ月程度になり、いよいよ本番機(5号機)の製作が始まった。基本的に4号機と同型だが、少し変更点がある。

  • 本番の目張りされていないシートに引っ掛からないスキッド脚を採用
  • 主翼の主桁が翼型の空力中心を通るようにテーパーを空力中心に揃えた
  • 水平尾翼のヒンジを後退させて舵面積を小さくした
  • 機首にバッテリー搭載スペースを設けて重心を前に動かした

スキッド脚には竹ひごを沸騰したお湯につけて曲げ加工したものを使用した。主翼付け根に接着してあるので、前から見ると上反角の分だけハの字に開いている。

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スキッド脚が取り付けられた本番機胴体

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ほぼ完成した本番機

受信器をSBUS端子しかない軽量小型のものに載せ替えた。これだけで6g軽くなった。程なくして本番機が完成した。

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初飛行を待つ本番機 (1)

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初飛行を待つ本番機 (2)

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初飛行を待つ本番機 (3)

飛行試験は大成功。今までで一番安定した綺麗な飛び方で、心の底から感動した。4号機の課題だった縦安定が、重心を前に出したことで見事に改善されている。ここまで綺麗だと手動と自動の飛び方の違いも顕著に表れていた。

2点改造を行った。まず、離陸前に機体が前のめりになってしまう問題をスキッドの前に付加物を取り付けることで解決した。

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スキッドの改造

また、チキンラーメンの投下装置を製作して取り付けた。穴を貫通する針金をサーボモーターで抜き差しする機構を採用し、保持と投下を確実に行えるようにした。また、サーボモーターにチキンラーメンの荷重がかからないようにもなっている。重心の真下に投下点を配置したので、投下しても飛行が乱れにくい。

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チキンラーメン投下機構

 

前日

午前中に最後の飛行練習を行った。競技開始から終了までの流れを細かく決めた上で、それに従ってひたすら飛ばしては微修正する練習を繰り返した。練習後3限を受けるために一旦解散し、15時半に再集合した。レーザーカッターで主要部品の予備を全て切り出し、その他必要な部品や工具をまとめてボックスに入れた。機体もサーボと舵のリンク糸の張り直しなどを行った。梱包に関しては、主翼の取り外しが可能なので、胴体を入れる細長い段ボール箱主翼とその予備を入れる薄くて大きな段ボール箱を確保した。箱には機体や主翼を固定した上で、箱が潰れないように発泡スチロールのブロックを入れて支えとした。

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梱包の様子

箱に蓋をしてレンタカーに積み込みを行い、20時過ぎにようやく準備が完了した。帰宅後は当日持ち込む機体審査用紙を完成させ、コンビニで印刷した。着替えや自分の私物で持っていく工具類なども準備して、午前1時に就寝した。

 

1日目

7時起きで大田区総合体育館に向かった。この日程に競技はなく、会場設営、機体審査、飛行練習が行われる。

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会場到着

チームメンバーと合流しつつ設営や審査を済ませた。出発前に最終的な機体重量を量っていなかったが、制限ギリギリの199.0gでなんとか通った。仮に重量をオーバーしていた場合は、剛性は落ちるが軽い予備の主翼に付け替える予定だった。フェイルセーフの設定にミスがあったため、審査の列に並び直している。

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ピット完成

午後は他チームの機体を眺めつつ飛行練習を行った。飛行やミッションに関しては特に問題なく行えた。体育館が広いおかげで無動力滑空がやりやすそうだった。しかし、滑走路の滑りが悪くスキッド脚で真っ直ぐ走れないという問題があった。これまでの練習ではツルツルとした体育館の床で走らせていたが、本番では木板でできた滑走路から離陸しなければならない。真っ直ぐ離陸できないと離陸点がもらえないので、解決する必要がある。機体を平らな面に置いて脚の接地部分を観察すると、曲線の具合が左右で微妙に異なるせいで接地点が前後方向にずれていることに気づいた。急遽片側の足をナイフとやすりで削り、接地部分を調整した。その結果、方向舵を右いっぱいに切ることでなんとか真っ直ぐ離陸できるようになった。

他チームの方々とも少し交流した。自分たちの機体は脚が特徴的なので、よくそれで話しかけられた。また、他のチームは発泡スチロールで翼を作っているところが多かった。テレビの取材でも、我々が和紙で翼面を作っている点が注目された。

予定通り18時過ぎに会場を出て、チーム4人で蒲田駅付近の中華料理店に入った。

京急蒲田から平和島まで電車で移動し、19時半過ぎに大田区の宿泊施設「ゆいっつ」に到着した。青少年自然の家のようなイメージを持っていたが、建物がとても新しく、ホテル並みに綺麗な内装だった。テレビもあった。部屋にゴミ箱やタオルや室内スリッパがないことを除いてはホテルと言っていい。同じ学校のチームと共同で使うLi-Poを充電しながら、4人でずっと雑談をしていた。ユニットバスでシャワーを浴び、0時には寝ていたと思う。

 

2日目

朝8時半から飛行練習ができるらしいので、7時半に起きてすぐに4人で施設を出た。平和島駅に向かう途中でパン屋に寄り、朝食を買った。大田区総合体育館京急蒲田駅より梅屋敷駅の方が近いらしく、そこで電車を降りた。会場にはすでに何チームかがエントランス前で人だかりを作っていた。開場までパンをかじって待った。開場後から10時に一般部門の予選が始まるまでの飛行練習で予選の通し練習を行い、離陸含め特に問題がないことを確かめた。予選は「帰還」ができれば突破できるだろうという読みで、チキンラーメンを3つ投下した後は比較的安全な「無動力滑空」だけを行って帰還するという戦略を取っている。また、予選の飛行順が22チーム中最後から2番目なので、他のチームの出来を見てから飛ぶことができる。

予選が始まった。思ったより未帰還になる機体が多い。成功させなくても絶対に予選通過できる高難易度ミッションにわざわざ挑戦した結果未帰還になるケースなど、戦略的に失敗しているチームが思ったより多かった。予選の宙返り回数の上限が1回なのを知らないのか2回、3回と宙返りして時間をロスする機体も見られた。軽く拍子抜けしつつ自分たちの順番を迎えた。予選通過は自分たちの目標とすることろでもあったので、流石に少し緊張したが、飛行前にスマホを出して機体の写真を撮るくらいの余裕はあった。練習で何度もやったのと全く同じように確実にチキンラーメンを機体にセットして、競技開始を待った。

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予選飛行を待つ本番機

競技開始。問題なく離陸。真っ直ぐ追加点エリアに2つ投下して、向こう側に着陸した。やはり練習通りにチキンラーメンが再装填され、すぐに離陸した。安全をとってエリアの端にある追加点エリアへの投下を諦めていたが、代わりにエリア中央部の追加点エリアに偶然チキンラーメンを投下した。そのままこちら側に着陸し、静止を確認してから無動力滑空を行うために再離陸した。自動入りの安定飛行で綺麗に滑空しているところを眺めてちょっと感動した。ちょうど機首が着陸エリアを向いたところで滑空をやめ、そのまま帰還した。予定していたミッションを全てスムーズに成功させた操縦者が本番に強すぎる。点数計算の結果2285点も取っていたらしい。メチャメチャ驚いた。チキンラーメンを3つ全て追加点エリアに落とせていたこと、落として着陸するまでの時間が37秒と練習でも滅多に出ないようなタイムが出ていたことが効いているようだ。喜び勇んでピットエリアに戻り、昼食をとりに会場を出た。

昼食から戻ると予選結果が公表されていた。予選通過チームは帰還に成功した10チームと運営側の推薦による1チームの合計11チームだった。上振れを引いたせいで3位という思ってもみない順位で通過してしまった。明日の決勝の飛行順は予選の順位の逆順なので、後ろから3番目である。

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予選3位通過

午後は他の部門の予選を見たり、明日に向けた飛行練習を行ったりした。大会直前の練習で宙返りをしようとして誤って墜落大破して以来宙返りをやっていなかったが、改めてやってみるとすんなりできてしまったので、決勝では宙返りを3回やることになった。また、チキンラーメン投下の往復タイムを短縮するために2回目の離陸を手投げで行う話が持ち上がった。

日程終了後のらくらと会場を出て、もんじゃ焼きの店に入った。既に目標を半ば達成した我々にとっては最早打ち上げであり、お酒も飲んだ。

宿泊施設に戻り、今週のウルトラマントリガーを視聴した。明日Li-Poを使うチームは我々だけになったので、半分ほどのLi-Poは満充電ではなくストアにした。

 

3日目

チェックアウトがあるので心持ち早めに起きた。荷物を全部持って施設を出た。一般部門の決勝は午後の最初に行われる。昼食はその後になると思われるので、コンビニで朝ご飯を多めに買って会場入りした。午前中にユニークデザイン部門とマルチコプター部門の決勝が行われた。去年一緒にマルチコプター部門に出て残念な結果に終わっていた友人が生まれ変わった機体で準優勝を果たした。本当におめでたい。

決勝前の飛行練習で宙返りを行ったところ、主翼に負荷がかかる復帰のタイミングで両翼とも根元から折れて墜落してしまった。一瞬の出来事だった。急いで機体を回収し、胴体の修理と予備翼への交換を行った。主翼を取り外し式にした上で予備の主翼を持ち込んでおいて、本当に正解だった。これが最後の飛行になるので、取り外し式の主翼を瞬間接着剤で固定して本番を待った。予備翼は軽いので、192.5gで機体審査を通過。決勝が始まり、下位通過の機体を眺めながら順番を待った。いくつかのチームが我々には取れない高得点を出していたが、そりゃそうでしょという感じだった。どのチームが何点取ろうが我々のすることに変わりはない。1チーム前の農工大の機体が飛んだ。練習でも予選でもパッとしたものを見られていなかったが、決勝ではなんと完全に無駄のない経路を高速で飛び回る圧巻のフライトで、5000点近い点数を叩き出してしまった。あんなものを見せられてしまったら最早自分たちがすべきことは何もない。完全にリラックスした状態で本番を迎えることができた。ちょっと危なかったが離陸は成功、チキンラーメンを追加点エリアから外してしまった。手投げ発進はうまくいき、タイムを予選より短縮することができた。無動力滑空と宙返りは普通に成功し、予定通り帰還した。2950点。お疲れ様。6位だった。追加点エリアからチキンラーメンが外れたせいで順位が低めに出てしまったのが少し残念だが、正直なところ農工大の飛行以外はどんぐりの背比べに思える。あれに勝てないなら興味はない。

閉会式前の自由飛行会で、初めて本番機を自分で操縦して飛ばした。本当に飛ばしやすくていい機体だった。表彰式、結局賞は貰えなかったが、十分に充実した大会だった。

 

振り返りと今後

固定翼機初出場にしては良い結果を残せたと思う。最後の1週間で本番を想定した練習をしっかり行えたのもチームとして良かった。もう1機作るほどの時間的余裕があればチキンラーメンの回収ミッションにも挑戦できたと思うが、その程度ではあの農工大にどうやっても勝てないだろう。勝ち筋があるとすればうちの大学らしく完全自動化を成功させたいが、難易度が高すぎる。とりあえず次は自動操縦部門での優勝を目指す。一般部門には農工大に勝てるようになるまで出ない。「次は違う勝ち方がしたい」とか言っているチームにそう易々と敗北してはいけない。必ず打ち負かさなければならない。

 

記事の締めくくりとして、練習で友人が撮ってくれた中で一番好きな、今にも飛び立たんとする本番機の写真を載せたい。ありがとうございました。

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よこ週記 2021/12/6-12

※週のうちに1文字でも書く時間的余裕または精神的余裕がなかったので、翌週の火曜日である今日に先週の特筆すべきイベントをざっとまとめる形式で残します。

 

月火水は飛行ロボコンで飛ばす本番機の製作をやっていた。

水曜日、ゆくゆくは自動操縦装置に積みたいちょっと高めのジャイロセンサをテストするための基盤を作った。

また、先日届いたNucleoを動かしてみた。mbedを利用してPCに"Hello, world!"という文字列をシリアル通信で送信するプログラムを作成し、動作を確認した。mbedはファイルをUSBメモリに保存するのと同じ要領でプログラムを書き込める点と、Arduino IDEと違って本物のC++が使える点が気に入っている。

 

木曜日、本番機を飛ばした。今までで最高の出来。安定性が抜群に高く、飛んでいるのを見て感動した。

買ってきたLANケーブルでPmod NAVの動作を確認した。Arduino IDEで既に存在するライブラリを使って9軸センサの未処理の値を読み込むもの。

次はこれをNucleo (mbed)で動かす。今度はライブラリに依存せず、センサのデータシートとmbedのリファレンスだけを頼りに自力で実装することに挑戦したい。

 

金曜日、庵野秀明展に行ってきた。出だしでいきなり沢山の特撮メカの模型が展示されていて、かなり興奮した。目当てにしていた「トップをねらえ!」「ふしぎの海のナディア」の設定画などの展示も本当によかった。ずっと前に見たことを忘れていた「王立宇宙軍 オネアミスの翼」の各種イラストにも目を引くものがあった。エヴァンゲリオンの展示には常に人だかりができていたので、あまり見ていない。裾野が広いとはいえもっと色々な作品に関心を持つべきだ。写真を全部で159枚撮影した。

俺の生きる道白山でいつもの汁なしラーメンを食べて帰宅した。

 

土日はアルバイトや雑多な買い物などの用事を済ませていたら終わった。2日連続で吉野家のスタミナ超特盛丼を食べた。大変頭の良い食事だった。

 

よこ週記 2021/11/29-12/5

11月29日(月)

1限を受け、2度寝した。3限の対面に学食に寄って遅刻した。4限は自習だったので、飛行機作りを進めた。竹ひごをお湯で曲げる作業が楽しかった。5限にやや遅刻して、学食で晩飯を食べて新居に行った。今日の分の荷物を置いた。カーテンの寸法を調べて適当に注文した。寮に帰った。1限の課題をやり、新居用のデスク周りの家具を見繕った。

 

11月30日(火)

2限をオンラインで受けた。秋月で注文していたNucleoが届いていた。最近は戦争中の国家みたいな勢いでマイコン周りにお金を溶かしているので、ちゃんと使いこなせるようになりたい。

学食に行って昼飯を食べた。

新居に荷物を置いてから大学に戻り、飛行機作りを進めた。夜はセブンイレブンで中本丼とサラダを買って帰り、食べた。疲れていたのでちょっと寝た後、起きて電磁気学の課題をやった。電気回路をグラフ理論で解析する話題で、講義資料が丁寧だったので助かった。

 

12月1日(水)

昼前に起きて新居に行った。荷物受け取りを待ちつつ3,4限の講義を受けた。新居にはマジで何もないので他にすることがなく、かなり集中して講義を聞くことができた。講義後も何もない床でゴロゴロしながら宅急便を待ったが、1つだけマジで全然来なかった。観念して俺の生きる道白山に行った。かてごりと、久しぶりのとうげ。

店員さんがもやしの上に辛味噌を載せるのを忘れていて、着丼時にそのことを中くらいの声に出したら、店員さんの誠意でお椀入りの辛味噌をもらった。トッピングを忘れられて後から別皿でもらうイベントはまれに発生する。好きなタイミングで入れられるのでむしろ嬉しい。とうげハウスに行って3人で明け方まで時間を過ごした。未明に帰宅。今日は荷物届きまくりデーで、寮にもたくさんの箱が届いていた。

 

12月2日(木)

結構面白くてかなり楽しみにしていた2限の対面講義を貫通して昼前に起きる。新居に荷物を置いてから345限の必修のプロジェクト科目に遅刻した。先週の中間発表で僕の「キレ」が既に決定的になっており、今日も一生イライラしながら作業していた。作業後は皆で会食することをせず、1人で新居に戻った。不在票が大量に投函されていてキレそうになった。かてごりが女の子が壊れてヤバくて怖いアニメを見ていた。適当に外で晩飯を食ってきて、GUTのアドベントカレンダーを2時間半くらいかけて書いた。

深夜1時過ぎ、寮に帰宅。

 

12月3日(金)

2限の起床に2日連続で失敗して落ち込んだ。気を取り直して本郷キャンパスに行って、飛行機を飛ばした。4限はオンライン授業を流しながら飛行機作りを進めた。新居に行くと机とか椅子とかが大量に届いていたので、全部組み立てた。

 

12月4日(土)

昼頃に起きて、今週のウルトラマントリガーを観た。総集編だったのでがっかりした。途中で挟まれる総集編の需要がないことが何らかの方法で証明されてほしい。あるいは機動戦艦ナデシコの総集編の作りがメチャメチャ賢いので、全制作者は手本にしてほしい。午後はバイトをした。ユニクロで靴下とマフラーを買って帰宅した。

 

12月5日(日)

早朝に起きて夜までバイトをやっていた。

(1720文字)

ジョージ・オーウェル「1984年」読書感想文

「どんな世界にもな......『抜け道』ってのがあるんだよ......」

 

物語中盤の酒場のシーンで、主人公ウィンストンと盃を交わしていた自称天才エンジニアが勿体ぶりながら放った、このセリフが印象的だった。彼の存在は、序盤で読者の誰もが逃れられないと思ったビッグ・ブラザーの完全な支配に一矢報いる希望の光を、主人公、そして読者である僕たち自身に授けてくれた。彼は2枚のテレ・スクリーンを向かい合わせに設置することで内部処理のバグを発生させ、監視機能を無力化する術を編み出した。そして、大昔に廃棄された地下ドックで彼が秘密裏に建造した原子力戦艦「ニュークレオン」に主人公の恋人ジュリアを入れて3人で乗り込み、「自由を取り戻すための戦い」が人知れず幕を開ける。

初めのうちはニュークレオンの動力システムの調整不足などが原因で、平和省の鎮圧軍相手に苦戦を強いられる。火器管制システムがダウンして戦闘不能になることも幾度となくあった。しかしそれでも、どんな困難な状況でも諦めないウィンストン、それを信じて支えるジュリア、持ち前の技術と勘で問題を次々と解決していく自称天才エンジニアが力を合わせて逆境を乗り越えていく。3人は戦いの中で大きく成長し、中盤のラストでついに平和省の主力艦隊をニュークレオンたった1隻で撃破する。中盤のこの成長ストーリーは、この部分だけでも長編映画シリーズ並みの厚みがある。

中盤の戦闘で個人的に特に好きな場面は、平和省きっての精鋭である潜水艦隊との戦いである。水面下の見えない敵からの魚雷攻撃に一方的にやられ続けたニュークレオンは、原子炉爆発寸前の大損害を被り、とうとう全動力の停止を余儀なくされる。冷却もままならずいつ爆発するか分からない原子炉を抱え、敵の前でただ浮かんでいることしかできない絶望的な状況。それでも3人は諦めなかった。「こんなこともあろうかと、用意しておいたんだ!」というお決まりの台詞とともに、自称天才エンジニアの工作室の奥から重力波ソナーが運び出される。彼曰く感度が悪くて使い物になるか分からないとのことだったが、そのときは奇跡的に敵の艦影を1隻1隻鮮明に捉えることができた。どうやら艦内の動力が全て停止していることで、かえってソナーにノイズがほとんど乗らなくなったようだ。そして、彼らは艦内に残されていた対潜爆雷をなんと人力で投下した。機械の動力が一切使えないなか、甲板の下に格納されている爆雷を引き上げるだけでも、並大抵の人間にできる所業ではない。彼らの不屈の精神は、僕たち皆に勇気を与えてくれた。

 

終盤冒頭、ニュークレオンは修理のため、ある浅い海域で停泊する。点検のために重力波ソナーのスイッチを入れたところ、彼らは真下の海底に愛情省、真理省、平和省に続く4つ目のピラミッドを偶然発見する。それは1万2000年前に滅んだ超古代文明の遺跡だった。遺跡の中心部に潜入した3人は、超古代文明唯一の遺物であり遺跡そのものの意志が実体化した存在である、女性型ホログラム人形と出会う。彼女との接触により、3人はビッグ・ブラザーの支配に超古代文明オーバーテクノロジーが悪用されていること、そしてそのことを彼女自身が望んでいないことを知る。3人は彼女から授かったオーバーテクノロジーでニュークレオンを宇宙戦艦に改造し、悪しきビッグ・ブラザーを滅ぼすことを決意する。一方それと同時に、遺跡の反応を探知した平和省の残存勢力が大挙してニュークレオンのいる海域に押し寄せてきた。一気に窮地に立たされた3人は、テストもしていないニュークレオンの対消滅エンジンに動力を接続し、ホーミングレーザーで敵の戦闘機を次々と撃墜しながら離水、進空する。この映像はアニメで観たい。

上空から平和省の勢力を圧倒したニュークレオンは、3つのピラミッドがある首都に針路をとる。ニュークレオンの接近に呼応するように3つのピラミッドは地面から上昇し、正八面体の全貌を市民に晒した。それぞれの正八面体はゆっくりと自転しながら細くなり、横倒しになって下の頂点を共有するように三叉状に合体した。遠くで空き缶が転がる音も聞こえてくるような、静かな朝だった。市民が固唾を呑んで見守る上で、ついに正体を表したビッグブラザーの暗黒空中要塞「デウス・ウキス・マキナ」と、3人を乗せた我らの希望、万能宇宙戦艦ニュークレオンが対峙する。鈍いがかつ心地良い重音を唸らせながら空中に静止していたニュークレオンは、風向きが変わったのを契機に、滑らかにゆっくりと横滑りを始めた。と同時に、背負い式に配置されたニュークレオンの3連装主砲が轟音とともに一斉に光条を放ち、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

このシーンの戦闘描写は本当に素晴らしい。1984年の同年代に発表されていた「宇宙戦艦ヤマト」「我が青春のアルカディア」などのSFアニメ作品をよく研究したうえで、さらにオーウェル独自の表現技法も盛んに取り入れられているのが伺える。対峙から最終決戦にかけてのシーンは後年の「ふしぎの海のナディア」でのパロディ元になっていることも有名である。ニュークレオンの手に汗握る戦闘シーンもさることながら、作品中盤から一貫して描き出されている「自由のために最後まで戦い抜く」という主人公の精神性は、年頃の少年の心をガッチリと掴んで離さない。当時の時代性に照らし合わせても、この作品に勇気づけられて逞しく社会の海に漕ぎ出していった若者は多かっただろうと想像する。まさしく80〜90年代のSF作品をリードする金字塔的な存在であろう。

 

※この記事は「GUTアドベントカレンダー2021」に参加しています。

よこ週記 2021/11/22-28

11月22日(月)

本郷で飛行機を作っていた。それ以外のことは全部忘れた。

明日は作業できないので、材料を持ち帰って家でもちょっと作った。

課題サボり癖がちょっと取れて、1日に1個くらいのペースでやって出している。

 

11月23日(火)

午前中はバイトをした。午後はゆっくり昼飯を食べて、昼寝もした。

新しい機体を作るということで、制御回路も新しく実装した。表面実装にもかなり慣れてきた。このあとピンソケットを青く塗装したらメチャメチャかっこよくなった。

数学の演習科目の期末レポートをやって出した。複素積分が楽しい。実際の積分操作はほとんど要求されないが、インテグラルがついてるやつをガチャガチャやって答えが出てくるとやはり面白い。

 

11月24日(水)

比較的早く起きて大学に行った。飛行ロボコンの機体審査用紙に貼り付ける写真を撮っておき、1時間強の飛行試験を行った。補強した主翼を取り付けて自動操縦の調整をやったら、メチャメチャ安定して飛んでくれたので気持ちがよかった。1分間の飛行動画も撮影できてバッチリだ。

3,4限の講義をオンラインで聞いた。電子回路をグラフで表現して行列で解析する話で、途中で寝た。学食に寄って帰宅した。無線通信モジュールと慣性航行ユニットを注文した。飛行ロボコンの各種審査のための提出物を提出した。

明日動かす水中ロボットの制御回路を設計して実装した。

バッテリーに繋がったブラシレスモーターのアンプから5Vの電源をもらってマイコンを駆動し、ジャイロの値を読みつつPWM信号でサーボとブラシレスモーターを制御する。飛行ロボットとほとんど同じ回路構成で、最近こういうのしかやってない。

はんだ付けをやりながら「龍の歯医者」を観た。高校のころに放送された作品で、戦艦の戦闘シーン目当てで視聴したけど設定とかが普通に面白くて結構好きな作品。あとはやはりおふねが格好よくて最高。艦こ......みたいな作品に代表される、美少女キャラ抜きに艦艇の魅力を語れない制作陣は即刻猛省すべき。本来メカニックは少女を必要としない。

夜食をとる。寮の共用電子レンジがある食堂は深夜に電源が落ちる。しかし、信じて念ずれば電子レンジにも灯がともる。食器を洗う手間が面倒だったので袋から直接割り箸で食べた。

寮の電子レンジは700Wの出力が出せるが、たいていの冷凍食品には500Wと600Wの加熱時間しか書いてない。ちょっと前までは計算しやすい方のW数と時間の積を700で割って加熱時間を計算していたが、最近は反比例を線形で近似することで500Wと600Wの値を等差数列的に処理して700Wでの加熱時間を求めた後、反比例の凸性を考慮して10秒~20秒余計にとって加熱している。加熱時間表記の精度は大したことがないので、この方法でも問題ないと考えている。実際これで大きく見積もりを誤ったことはない。

 

11月25日(木)

起きて、水中ロボットの制御プログラムを書いた。完成させるだけの時間はなかったので、とりあえず使用するセンサや通信のサンプルプログラムをコピペして一通り入出力ができる状態に整備しておいた。家を出て、開発を手伝ってくれていた友人と合流し、水中ロボットが動かせる研究室があるキャンパスに向かった。覚悟はしていたが、機体の入ったボックスがメチャメチャ重たくて持ち運びが大変だった。

暗くなるまでひたすら防水試験と水密の修正を行った。結局水が入ってくる問題を解決できず、水槽で実際にロボットを動かすところまで出来なかった。それでも色々なノウハウを教わるなど有意義な時間を過ごすことができた。

デブラーメンは何を食べても大体うまい。

重い機体を引っ提げて帰宅した。疲れ果てていたので、少し眠った。機械系の講義の課題が2つ溜まっていたので、やった。久々にレゴをいじって楽しかった。

 

11月26日(金)

起きたらPmod NAV (9軸IMU+気圧センサを搭載した慣性航法ユニット) とTWELITE (Zig Bee規格で無線通信が簡単に行えるマイコン) 2つが届いていた。

とりあえず飛行機作りのために大学に行った。夕方までずっと尾翼を作っていて、気付くとかなり疲れていた。学食で夕食をとって、疲労がキツくてしばらく席に座り込んでいた。なんとか帰宅し、しばらくヘロヘロしていた。

TWELITEを試そうとピンヘッダとかをはんだづけした。付属のマッチ棒アンテナをはんだづけするのがメチャメチャ難しかった。マッチ棒アンテナ実装済みのセットが数百円高い値段で売られていた意味を理解した。このマイコンを使うには別途USB変換アダプタ的な基板が必要らしいことを知り、それをAmazonで注文して作業終了とした。Pmod NAVの方も触ってみようかと思ったが、電源電圧だけでなく通信のロジックレベルも3.3Vじゃないと使えないらしく、5Vで動くArduino系との間でレベル変換をする回路を持っていなかったので、こちらも何も出来ずじまいだった。注文しているNucleoボードが3.3Vで稼働できるらしく、届いたらそっちで試すことにした。

 

11月27日(土)

昼頃に新居に移動した。かてごりの荷物整理や荷物の受け取り、家具の組み立てなどを手伝っていたら一日が終わった。空き時間にゴム動力機を作っていた。

自分の寝具がまだないので寮に戻って寝た。

 

11月28日(日)

昨日とほぼ同じ。かてごりの部屋がほぼ片付いた。夜は2人でちばチャンに行った。 

ギオンがいたので買った。

明日からA2セメスターでキレた。寮に帰って寝た。

(3184文字)

よこ週記 2021/11/15-21

11月15日(月)

1限、いつも色んな先生が持ち回りで自分の専門の話をする講義で、今日はディープラーニングでイケてる感じの先生の講義だった。スタートアップで丸儲けしようみたいな話が言葉巧みに展開されていて、かなり怖かった。研究の原動力は好きとか楽しさとかであってほしい。それが全然伝わってこない。

3限は流体力学の期末試験だった。昨日真面目に対策したおかげで、それなりに解けた。4限後、飛行機製作の作業をやった。最近の楽しみは大体これ。来月の飛行ロボコンが終わっても、ずっと飛行機を作り続けたい。

頼まれていたセンサー基板の寸法測定のため、先日購入したノギスを初めて使用した。グワッと開くやつでガッチリ挟んで0.1mmの精度で読めるので、控えめに言って最高だった。夜は久しぶりにGUTのメンツとDiscordのボイスチャンネルでヘラヘラやっていた。楽しかった。

 

11月16日(火)

2限に起きる。制御工学の講義で、今回は海中ロボットの制御実例についての話を聞けるので、かねてから楽しみにしていた。制御モデルとそれに基づいて実際に動くロボットの動画なども見られて、死ぬほど勉強になった。午後は大学に行って飛行機作りをしたり、友人の飛行試験を手伝ったりした。夕食にカレーを食べて帰った。

明日までの電磁気学の課題をやった。4問中3問目で分からなくなったので、そこで提出した。

電流と電圧を測定できるセンサの値をLCDディスプレイに表示するデジタル回路を組んだ。右端に載っているPICマイコンで2つのデバイスを制御する。3時前に寝た。

 

11月17日(水)

昼前に起きて大学に行き、飛行機作りを進めた。明日飛行試験があるので、今度こそ良く飛ぶことを願う。3限と4限の電磁気学の講義を寝倒して学食に行った。起きてから何も食べていなかったので空腹が酷く、食事を二回りした。逆にきつくなって、パンパンに腹をさすりながら帰宅した。

昨日組んだ回路のPICマイコンにネットから拾ってきたソースコードをビルドして書き込んだ。LCDディスプレイに"Hello, World!"を表示するプログラムのはずが、なんかディスプレイが真っ黒なままで何も起こらない。色々やってみたがよく分からず、諦めてベッドで気を失っていた。

 

11月18日(木)

必修のプロジェクト科目で浮体ロボットの制御をするやつの中間発表会があった。チームリーダーのやり方にかなりキレていて、終始悪態をつきながら準備していた。どっかに書きたい気持ちがかなりあるが、書いてしまうと第三者の誹謗中傷になってしまうので我慢する。今日は彼が頑張って作業している間に他のチームメンバーと駄弁ったり、彼の知識不足が原因の失敗を責めたりして、普通に悪くて嫌なヤツを演じていた。自分の気持ちに正直すぎる。まあ俺のモチベ次第でこのチーム潰すことだってできるんだぞってことで......

まずはスープから!

帰宅し、明日の制御工学の試験勉強をした。手を動かしておくとよいことが経験的にわかっていたので、講義中に出た演習課題の問題を解き直したりしていた。全12回の講義のうち初めの2,3回分くらいの解き直しをして力尽きた。持ち込み可能な試験なので、講義資料中に散在している便利公式を一箇所にまとめるなどの作業をしておいた。

 

11月19日(金)

試験を受けた。休んだり寝ていたりしたナイキスト線図とかボード線図とかのところが全く解けない。それ以外の計算問題や現代制御の問題を必死に解いていた。試験後はこの前飛ばした飛行機の主翼を補強して、4限を家で受けるために帰宅した。Amazonで注文して届いていた宇宙戦艦ヤマトのCDを聴きながらボケーッとしていた。怪しい走行体よこ5号の基本設計をして、使いそうなギヤボックスとオムニホイールを1組Amazonで注文した。お金使いすぎのケがある。

一昨日動かしてみて表示されなかったLCDディスプレイの回路をはんだ付けでちゃんと組んでArduinoで動かしてみたらちゃんと表示された。しかしはんだ付けの過程でバックライトがお釈迦になったようで、目を凝らせば読めるけど使えないディスプレイになってしまった。同時期に購入した電圧・電流センサもArduinoで動くことを確認をした。最終的にはセンサで読んだ電圧と電流をディスプレイに表示するデジタル回路システムを作りたいのだが、Arduinoで制御するには制御主体が高級すぎる。PICマイコンで使えるようにしたい。

 

11月20日(土)

全休。目覚ましをかけずに昼頃まで寝ていた。起きて秋葉原に行く。目当てはこれ。

以前から目をつけていたヒートガン(ドライヤーのバケモンみたいなやつ)を手に取る。値段を見ると4980円で頭が真っ白になった。ブレッドボードも持ってレジに行く。何人ものおっさん達がマグカップを貰っていて焦ったが、無事に確保した。特定を避けるため、撮影とツイートは帰宅してから行った。

マグカップ、どういう用途に使う物なのか教えて欲しい。

秋葉原に来たついでに、以前TLで見て気になっていた飛行機のプラモデルを探した。

双発串型といって、前にも後ろにもエンジンとプロペラがついている。中古屋2軒目でタミヤの1/48を見つけて購入。

デカい袋を2つ提げて秋葉原を出る。デブラーメンに寄った。

この外出だけで1万2000円も使ってしまって帰宅後1人で震えていた。買ったものは仕方がないので、ヒートガンの試射をしてプラモデルを少し組み立てた。

 

11月21日(日)

起きて、正午ごろ秋葉原に着く約束に遅刻した。

向こう2年間、友人のかてごりと物件を共有して生活することになっている。ヨドバシカメラで家電製品を見て回った。程よく小さくて安めの洗濯機と単機能の電子レンジを見繕った。謎のキャンペーンのおかげでかなり安く買うことが出来た。割り勘なのでさらに半額。ほとんどお金払ってない。

夕方帰宅し、Amazonから届いていたギヤボックスとオムニホイールをのんびり組み立てた。

良さそうなので、もう3セット購入するつもりだ。

(3416文字)

よこ週記 2021/11/8-14

11月8日(月)

 

11月9日(火)

午前中は飛行機の作業場で2限をこなし、午後、体育館で飛行機を飛ばした。機体の整備不足もあったが、実機を飛ばすのは難しかった。

基板が届いた。

部品は揃っているので、早速実装した。初めて表面実装部品を取り扱ったが、なんとかやり遂げることができた。

青で統一されていてかっこいい。

 

11月10日(水)

昨日作った回路の動作テストをした。プロポの信号をArduino Nano Everyが読んでくれなくて困ったが、ソースコードの通信してる部分を丸ごと違う方式のコードに置き換えたらうまく動いた。サーボ端子の間隔が狭すぎて全部刺さらない以外は、特に不具合やバグはないようだ。

 

11月11日(木)

午前中にメチャメチャ頑張って引っ越しのための費用の支払いを済ませた。取り扱う額がデカいだけでかなり疲れる。

午後は浮体作りに参加した。手元とマイコンの無線通信の確立をサボっていたために運用で大変な思いをして、それなりに反省した。

 

11月12日(金)

2限が休講だった。3限と4限を対面で受け、履修放棄気味の5限を切って大学を後にした。秋葉原に寄り、ゴム動力の飛行機と瞬間接着剤プライマーとノギスを購入した。

俺の生きる道白山で夕食をとる。

この前の回路の2枚目を作った。前より表面実装部品のはんだづけに慣れてきた。

はんだの量を極力減らしたり、冗長な部品を外したりして1gの軽量化に成功した。サーボのコネクタが干渉して全部刺せない問題もピンを折り曲げて間隔を広めにとることで(多分)解決した。

 

11月13日(土)

午前中はバイトをした。かなり楽しかった。昼は肉丼を食べて帰った。

午後は何もない。午後に何もない土曜日は、8月21日にワクチン2回目接種のためにバイトの休みを貰ったとき以来だ。とにかくゴロゴロして最高だった。

ポッキーの日があったらしく、僕がちょっと好きな「喰霊 -零-」の主人公姉妹のイラストが流れてきて嬉しかった。アニメで実際に姉妹がポッキーゲームをするシーンがあり、名高い百合アニメということになっている。

 

 

好きな人に彼氏がいることを知る。

深夜に1人で家を出て、静まりかえった近所を彷徨っていた。喪失感と恐怖心が拮抗してきたあたりでおずおずと戻った。

 

11月15日(月)

1日中バイトがある。どん底の精神状態で無理矢理電車に乗る。バイト先に手違いがあって、シフトが午前中で終わった。食欲が全然ないのでコンビニで適当におにぎりなどを買って帰り、数時間放置して夕方にやっと食べた。昨日よりはマシな精神状態になっていて、よこ5号(オムニホイール走行体)の基本設計を進めた。

明日は流体力学の期末試験がある。講義資料を引っ張り出し、やや真面目に勉強した。今期は既にいくつかの講義でドロップアウトしており、結構ギリギリな進級への不安も相まってまた辛くなってしまった。

(2065文字)